小林のポケモンブログ

主にポケモンの構築記事・考察のブログです。基本的に投稿頻度は少ないです。ソード・シールドでは今のところダブルバトルメインでやっています。

第6回壺構築品評会 各構築の感想

はじめに

kyukafuremingu.hatenadiary.com

↑の各構築への感想です。

kyukafuremingu.hatenadiary.com

↑これが今回のルール。

品評

No.1 初手BDS個体値0おっとりデルビル【竜王戦予選・碧の仮面】

竜王戦が壺提出期間中に中止になってルールが変わりそうになってしまった悲しみの壺。タイトルに「碧の仮面」と後から入れたであろうことが予測され、非常に哀愁が漂う。

使い方を見る限り非常によくできた単体ポケモンという印象がある。ミライコライならコライドンの方が多いだろうし、初手伝説ぶっぱは十分に考えられ、そこに確実に刺さる初手の選択肢として惹かれるものがあった。

報復・メタバは物理特殊両方に対して効果を発揮するため、選出画面で相手の構築が見えないこのゲームでは効果的に見える。守るで様子見して貰い火フェアリーテラスでスケショニトチャ積ませないという紹介も強く、「デルビルにしかできない」が突き詰められている。

しかもとにかく普通に強そうなので、ぶっちゃけ竜王戦に雑に参加するならこの壺を絶対購入していた。

文句なしの10点。

強いて言えば、今回は初めてテーマに「壺『構築』」と構築が明確にテーマになっているにもかかわらず、実質デルビルだけの紹介になってるのが文句の付け所に感じるが、3匹しかいないなら、のちに出てくるとある問題児と違ってしょうがないと思う。

 

No.2 飛び道具は連打してこそ意味がある

壺構築品評会に最近参加してきた猛者・テラスクエア歴代チャンピオンの一角であるエリーさんの指摘により、前期最終31位と全く同じコンボであることが発覚した。実績残しちゃったらそれは「幸運の壺」じゃなくて「本物のすごい壺」になってるんだよなあ……。

ちなみにこの情報が無かったら、ダブル部門ならばこれが一番評価高い。とにかく強そうなのだ。初見殺し性能・破壊性能も高く、実現性もありそうで、購入したくなる。それでいて「このポケモンにしかできない」魅力もあり、素晴らしい発想だと思う。

パクりだったら大幅減点だし、知らないで被っちゃったならそれは31位の記事を読んでいないという職人としての勉強不足であり多少減点対象である(自分が気づかなかったのは棚に上げる)。しかしながら、もしこれが構築記事公開前に提出されていたとしたらただただ可哀想なのは確かだ。ここは、疑わしきは罰せずの方向で、この観点での減点はしない。

そういうわけで文句なしの10点。

 

No.3 ふるふるふるむーん

都都逸風の紹介文が非常にお洒落な壺構築。やってることは月をテーマに夜・雪要素を交えて色々サポートしたうえでの真似っこフェアリースキンブラッドムーンだ。果たして眼鏡真似っこのどこがフレキシブルなのか分からないが。

紹介文とコンセプトが過去最高にお洒落(都都逸として出来が良いかは明言しない)でかっこよいため評価が高いが、構築としての評価は別に高くない。多分色々サポート積んだ末に眼鏡ハイボ連打しますの方が強そうだし。

 

No.4 オーガポン(はやてのかめん)

僕の壺。正直ランクマとドラクエモンスターズが忙しくて、ネタもなかったし提出するつもりもなかったが、実質僕にとっての最終日である提出期限前日に主催にカツアゲされたので必死に絞り出して提出した。

これは個人的には第1回レベルのやらかし。

イベント名が壺構築品評会なので「構築」の提出が義務付けられているのは変わらないが、それでもテーマはある程度「個々の要素」だった。だが今回は、テーマすらも「壺『構築』」なのである。つまり構築の総体として壺でなければならない。

だがこれはどうだろう。タイトルも紹介文も、ただひたすらスカーフオーガポンという、メジャーな単体のマイナーな使い方にスポットが当てられていて、「構築」要素が欠片もない。組み合わせですらないのだ。

一応相性の良い既存の構築に組み合わせられてはいるが、これではただの育成論である。つまりレギュレーション違反だ。

3匹しか使えない竜王戦ルールだから仕方ない、という言い訳すらできない。申し訳ない。

ちなみにスカーフオーガポンの評価としては、自分で出しただけあって「お、中々面白いやんけ」と思ってる。ブエナトドロクツキが環境にとにかく多いので、スカーフと特性でそれを抜き去ってじゃれつくで仕留める、などは我ながらよく考えたなと思っている。イエニューラを使ったうえで威嚇がキツイ、というのもよく知っているので、「威嚇に強い2匹目のオオニューラ」という売り文句も我ながらよく考えたと思う。

自分で使うかというと、じゃれつくの命中が怖いので採用しない。

 

No.5 高速展開ゆきエレキ

見た目がただの高速トンボルチェンから展開する天候パやんと思ったら、脅威のC25から放つ4倍弱点仲間への徹底抗戦で爆笑してしまった。なんだそれは。

雪パは雪かきエースが吹雪を振り回せない奴ばかりであるという重い弱点があり、それを解決した革命児がツツミなわけだが、それでも微妙に足りない火力を、雪役であるアローラキュウコンの弱点保険で手に入れるという力業には仰天。

ただ、雪かきでS2倍になったサンドパンを迅速に退場させるのは普通にもったいない。また、雪かきでS2倍になったサンドパンアローラキュウコンの素早さを越えるため、ダメージは、C最低徹底抗戦>無補正A252ジャイロボール(雪のB補正あり)、となり、色々な面でジャイロボールの方が弱点保険起動に都合良さそうだ。

 

No.6 味方殴りは避ければいい

とにかく運に頼ったカスのコンセプト(褒めてる)。こういう頭のねじが吹っ飛んだ壺は好き。ドレディアは強力な特性を持っているため仲間作りはもっと有効活用されてもよさそうだが、あまり見ない気がする。それを活用したという意味でも好き。「壺だから見た目パワーのある鉢巻」と思考停止するのではなく、「張り切りでパワーは十分すぎるので、コンセプト重視の空振り保険」と持ち物を選んでいるのも偉い。このコンセプトだと追い風も欲しくなるが、空振り保険でS2倍になるから別に必要でもなく、構築の自由度が広がっているのも良い感じ。取り巻きも良く考えられている。

 

No.7 キタカミ式トルネサーフGO!

普通のトルネロス起点両天候構築をニョロボンウツボットの見た目とグライオンの優れたコンセプトと紹介文で上手に覆い隠している。が、あいにくながら品評側は(たびたびガバを出すけど)それなりに目が肥えているので騙されないぞ。

テツノカイナと同期で同じタイプのパーモット、内定すら貰えてないでサーフゴーとかいう金持ち陽キャブイブイ暴れられているギルガルドは泣いてよい。

個人的に天候部分よりもグライオンが好みだった。

 

No.8 今期まだランクマ未着手なんでこれでマスター上げます

オコリウーラはもう既存なので、壺として評価を得るには、もう1粘土か1絵柄が欲しい。その求めてる要素をちゃんとかなえてくれた。

岩テラスであえて抜群にしつつこらえるで水流連打を受け、怒りの壺と憤怒アップと起死回生アップと岩雪崩最強とカムラ発動を一気に叶えている、非常に爆発力のあるロマン壺だ。抜群仲間殴り壺にありがちな、ダメージのわりに上昇幅が弱点保険程度、という問題点も、怒りの壺の6上昇で解決して持ち物の自由度を広げている。コノヨザルとの差別化点であるS種族値95が足りないもろもろの種族値のせいで努力値を振れず腐るのもオコリザル使いの悩みだが、耐久なんて捨てて素早さに振っても問題ないコンボにしたうえでカムラでS上昇もできるという、バカコンボのわりに色々考えられている。

「壺」の理念である「買いたいか」の観点で言うと微塵もそうは思わない(初手で相手に何もできていないの弱すぎ)が、コンボの圧倒的ロマン性と爆発力とぶっ飛び具合には大拍手をしたい。正直それ以外の要素は普通だが、この新機軸のコンボだけで10点をあげたい。

 

No.9 笑う門には富豪来る

これもレベルの高い壺。

メガルカリオで適応力ゴールドラッシュしたすぎて涙が出るのはさておき、メガシンカできないなりの活かし方になっている。

ゴールドラッシュを打ちながら脱出パックで即座にラグなしでサーフゴーのCダウンをリセット、脱出ボタンや寒いギャグでこのコンボが何回も使える。メガシンカがないなりに精神力で脱出パック誤作動が少なくなるという点をちゃんとアピールしてるのも紹介文としてレベルが高い。

そしてそれにとどまらず、取り巻きも軸ポケモンたちとシナジーがあるように構成されていてとても好き。結構購買意欲をそそる。脱出ボタンと脱出パックという二つの脱出を上手く活かしているのも、過去に弥生土器と酷評されたダッシュtwo晴れ滅び(記事リンク貼ろうとしたけど第3回は忙しくて書いてないんだった)の無念を雪いでくれて嬉しさと悲しみがこみ上げる。10点。

 

No.10 滅び偽装滅びトリックルーム

ありそうでなかった発想の構築。個人的にトリル偽装スイッチトリルイエグレと名前が似ていて思い出が蘇ってくる。トリックルームの弱点である守るを滅びで誤魔化しているのも面白い。

地味に晴れ木炭噴煙で耐熱ヤバソチャの弱点保険を発動させようとしているのが好き。耐熱あるしシャカシャカで回復できるからといってそれはやばすぎるだろ。

 

No.11 暗黒強打で壺起動!トリル重力ウークーダ(別名候補はバクラオス

みんながオコリザルの夢中なので、元祖怒りの壺エースのバクーダがついに暴れ始めた。地震と岩雪崩があるので、本体の性能が低いことを除けばオコリザルとは違った制圧力があるので結構面白いんだよね、バクーダ

ただバクーダはトリルじゃないと弱いが、急所役は全体的にSが速い。それを鉄球で解決し、トリル最大の弱点である守るを不可視の拳でついでに対策しているのも面白い。バクーダの技で、物理炎がこのコンセプトだとろくなものがないからトリル最終ターンの穴を掘るにするというちょっとしたひねりも独創的で粋だと思う。

バクーダにとにかく寄りかかっているので重力までやっちゃう。オコリザルとの差別化点である範囲技がちゃんとどちらも重力とシナジーあるのもグッド。

 

No.12 幻の世界大会環境構築『限界突破ラブトンエーフィ』

たくわえるで蓄えたあとにあまのじゃくを受け継ぎ、そこでのみこむをするとHPいっぱい回復しながらさらにBD3段階上昇する、という理不尽ギミック。これは面白い。

ラブトロスの自首退場技としてはミストバーストを採用。癒しの願いで自主退場してそのあとサイチェンしたら回復できるじゃんって思ったけど、たくわえる飲み込むで回復はもう十分そうではあるのは確か。ミストバーストの方が強いのは間違いない。

ここまでのギミックだけでも、みんな大好き汚い粘土のベトベトン壺として評価高いが、さらにエーフィのじこあんじを重ねってギミック感を高めているのもグッド。

 

No.13 優勝壺壺ボスラッシュ

タイムラインで2個の壺案をがっちゃんこしようか悩んでた人がいたけど、5個がっちゃんする人がいるとは思わなかった。これが第5回で1~4のやつをがっちゃんこしてたらただの寒い人だが、今回は年末かつ今までの集大成でありタイトル回収、このボスラッシュにもこみ上げるものがある。

それはそれとして要素を戦いに活かせている感じがしないし、色々混ざって280字に頑張って圧縮してもなお分かりにくくて、見ていて頭痛がした。

 

No.14 蒸気ツボスイッチ

確定急所技のお株はウーラオスとマスカーニャにすっかり奪われたが、元々は氷の息吹こそが元祖だ。それを唯一両立できるのがマイナーポケモンツンベアーである。これには僕の中のマイオナもにっこり。

特性の雪かきもしっかり活かしてスカーフワルビアルより先に動いて壺起動も出来るし、ちゃんとオーロラベールでサポートもできるようになっている。ツンベアーは物理特殊両方で弱点突いて起動するので火力があると困るから攻撃技は絶対零度、というところも考察が丁寧。

そして壺職人大好きのカラミンゴである。能力上昇ロマンコンボにはやっぱこいつがいないとね。ラーメンについてくる半チャーハン。

 

No.15 え!!(クレセワンパンと)同じ火力で2匹に同時攻撃を!?

保険マニューラを仲間殴り起動して悪い手癖で持ち物まで移植する、というコンボにはトラウマがあるが、そこにさらにバトンタッチまで絡めているのは中々面白い。

移植先もちゃんと急所率アップが考慮されていて、急所のダメージを増やせるうえに範囲技があるインテレオンと、自前でダメージ増やせて確定急所に出来る範囲技があるゴリランダーで高いシナジーがある。そしてその両方と水オーガポンが相性が良いのも面白い。

ところでインテレオンの波乗りは確定急所じゃないことを誤魔化してますよね?

 

No.16 轍鮒の急のワダチでも

轍って字を使った言葉を頑張ってネットで検索したのがうかがえて微笑ましい。これでもともとこの言葉知ってましたとかだったら職人の教養が高過ぎる。なんでそんな教養でこんなイベント参加してるんだ。

テツノワダチのキャラクターにもあうアイアンローラ―は活かしてみたいと常々思ってはいたが、頭の中でダメだなって没にしてきた。だがこうして実際に壺として提出してきた人がいたし、頭の中に思い浮かべていたゴリライエッサンバチンウニの奇妙な並びも一致している。そして見た感じのダメそう感も想像通りだった。テツノワダチ、可愛いな。

 

No.17 逆転のアメエス

ねばねばネットを撒いた後にエースバーンのコートチェンジした場合、「自分で下げた扱い」になるので「負けん気も勝気も発動しない」。それは壺職人がしょっちゅうニチャりながらにらめっこするであろう、ポケ徹に並ぶ聖典ポケモンwikiに書いてあったことらしい。

しかしこの職人は、SVでは変わっているかもしれないと検証して、自分で試し、いつの間にか仕様が変わっていることを確認したのだろう。聖典を越えた。まずこれだけであっぱれ、ボーナス点で10点出したい。これ本当偉すぎる。

ちなみにギミックとしてはクソ弱そうなので壺として買いたいかと言われると欠片もそう思わない。後ゴチルゼルの白いハーブはメンハの間違いか、トリックルーム使わないパターンも想定してるのかな?

 

No.18 Dancing Panic!!!!

仲間にマイペースを置いて相手2匹を一方的にフラフラさせたり仲間威張るをしたり、というのは第1回でも出された由緒正しきコンボだ。

だが今は環境が進んでいる。

新たなマイペース戦士・ガラルヤドランやルンパッパ、圧倒的破壊コンボを備える翡翠ドレディア、仲間だけでなく相手威張るを活かしてAS2段階上昇するオオニューラ、威張る代表の腕組みおっさんなどなど、コンボギミックポケモンが多くいるのだ。第1回からのポケモン対戦の変化も感じられる、胸が熱くなる壺構築である。

個人的に相手威張る+ものまねハーブ軽業オオニューラだけは購入したくなった。

 

No.19 スケイルだっしゅつバンバミンゴ

バンバドロとエンニュート!? うっ、頭が……!

ただのスケイル脱出だが、憤怒チャージや保険発動だけに留まらず、特性によるアップと保険によるアップの両方を求めたわがままボディな壺。バンバドロに思い入れはないこともないので、構築にいるだけでニコニコしてしまう。

当然こういうコンボならみんな大好きカラミンゴや自己暗示ニンフィアもいるし、コンボにつながりがある毒シャリ+ヘイラッシャも入ってくる。伝統的な壺コンボを組み合わせて新たな核心を作り出した、本当の芸術世界にありそうな経緯の壺。

 

No.20 寿司偽装とてもつよいエンペルトサーフ

脳がしばらく理解を拒み、そして十秒後ぐらいに声出して笑った。職場で。生徒がみんな帰って先生だけの静かな教室で。許さん。

ちなみにミラクルシューターのルールがよくわからんけど、とにかくパワーが弱そうで、コンボ決めても「それで?」みたいな感じになりそう。ミラクルシュータートリプルとかいう二重幻覚を持ち込む勇気と狂気だけには点数をあげたいが、壺としては今回評価は最低(自分のを除く)

 

 

総評

今回は自由過ぎて逆に構築をするのが難しかった印象だが、個人的に過去最高レベルで10点を出したい壺が集まった。逆張りモンスターたちのニチャりが集まるイベントの集大成ともいえる今回は、過去の品評会の思い出を思い起こさせる作品も多かった。また過去最高の幻覚狂気が提出されたり、過去最悪クラスの公式のミスに巻き込まれた壺がいたりと、「過去最〇」の更新もなされた。今年一年のSV人生の後半は壺構築品評会とともに歩んだと言っても過言ではない(なんて半年だよ)ので、その一種の集大成でこうした壺構築たちを見れたのは喜ばしく思う。

そんな中で自身は壺案が浮かばず、頑張ってひねり出したのがテーマのレギュレーション違反だというのは悔しいところだが、スカーフオーガポンの特徴と良さを結構活かし、それと合うのがイエニューラウーラである、というそこそこ妥当性のある結論に頑張ってたどり着けたのはまあ悪くないかなという感じがした。

さて、壺構築とは、見た目が派手で何やら強そうに見せかけて実際弱いのを紹介する、というものだと認識している。

つまりは、僕がポケモンYouTube界隈で最も嫌っている「最強すぎるwww」「バグレベルwww」「やばすぎるwww」系統のそれである。思考内容は尊敬している某ユーチューバーについても、その動画タイトルのせいで若干アンチ気味だ。

だが実際参加してみると楽しかった。あの動画投稿者たちも、「タイトルで釣って騙してPV稼いでポケモンで金儲けしたろwww」と思ってるのではなく、こうして半年間楽しんだ僕と同じ気持ちで動画を作って投稿していたのかもしれない。「こんな仕様が」「こんな技が」「こんな戦法が」「こんな思想が」「こんな狂人が」という気づきを多くくれた壺構築品評会は、僕の視野と心を広くしてくれた。代わりに何か色々失った気がするけどね。

 

10点出したやつ

デルビル、ヤミラミファイヤーガチグマ、カムラ岩テラスオコリザル、サフゴルカリオ、アメエス