小林のポケモンブログ

主にポケモンの構築記事・考察のブログです。基本的に投稿頻度は少ないです。ソード・シールドでは今のところダブルバトルメインでやっています。

【検証】特殊ルール大会で、「世間」と「グループで考察した人」の違いはどうなるか

はじめに

はじめまして、またはこんにちは。

先日行われたポケモンの公式大会・ブルーベリープロローグ、みなさまお疲れさまでした。

筆者はルール発表当初からマホイップ+テラパゴスの並びが強いと感じて、同じ考えの人を集めて考察グループをディスコードで作り、情報共有や考察を一緒にしていました

ここでふと思ったのが、「グループで考察した人」と、そうしたことはせず一人で考察する大多数の「世間」は、どれぐらい違うのかということです。

ちょうどブルプロは特殊ルールの大会であり、全員考察期間が短くまた各々が考察内容をオープンにすることもほぼないため、個人とグループで差が出やすいと思います。

そこで今回は、マホイップの型をテーマにして、考察グループメンバーが使ったマホイップと、ポケモンHOMEのデータとを比較してみました。

以下常体。

 

検証対象の定義

世間

ポケモンHOMEのマホイップの使用率データやその傾向を「世間」とする

 

グループで考察した人

考察グループメンバーのうち、構築記事をあげている人(筆者も含む)

 

また参考程度に、仲間大会のデータを使うこともある。

 

今回対象とした構築記事はこちら

なお、構築記事を上げたメンバーはグループの中でも特に仲間大会によく参加していたため、「世間」との差は考察グループと関係ない所も出ると思われる

kobayasisinn.hatenablog.com

note.com

crymore481.hatenablog.com

sunposter.hatenablog.com

以下、それぞれのマホイップを、上から順にa・b・c・dとする。理由はそれぞれ「鯖主だから最初のa」「BomberNinjaの頭文字」「crymoreの頭文字」「ただの最終2桁じゃねえぞ!リバティ圏内、級の最終2桁だ!」から

小文字にしているのはポケモンのステータスを意味するHABCDSとの区別のため。小文字は視認性が悪いが、b・cのネタを思いついてしまった以上、このまま突き進むこととする。

グループで考察した人たちのマホイップ

同じグループ内で考察・共有しているので被る所がかなりある。一方でそれぞれ握る構築や好みに合わせてカスタマイズしているのもうかがえる

 

a

臆病・H228・B28・S252

隠密マント・スイートベール

デコレーション、守る、魅惑のボイス、手助け

バシャーモ、テツノイワオ、カポエラーエルフーン

 

b

臆病・H244・B12・S252

隠密マント・アロマベール

デコレーション、守る、魅惑のボイス、手助け

バシャーモ、ゴリランダー、カポエラー、エレブー

 

c

臆病・HS252(端数不明)

隠密マント・スイートベール

デコレーション、光の壁、つぶらな瞳、手助け

バシャーモメタグロスアシレーヌエルフーン

 

d

臆病・H164・B68・C20・D4・S252

隠密マント・アロマベール

デコレーション、アンコール、魅惑のボイス、手助け

バシャーモ、テツノイワオ、カポエラー、エレブー

 

傾向

①全員が最速を採用し、残りもほぼ全部耐久に振っている

マホイップ+テラパゴスの使い方的に、マホイップの火力を求めていない。

相手よりもなるべく先に動いてテラパゴスにデコレーションしなければならないため、全員が最速を採用。また同じ理由で相手の攻撃をなるべく耐えてデコレーションを1回はしなければならないため、耐久振りも全員に共通する。

中でも特徴的なのがdで、メタグロスの特化鉢巻バレットパンチを確定耐えと、仮想敵を明確にして振っている。

a・b・cはほとんど変わらないが、それぞれ微妙に意図が違うと考えられる。

 

②「デコレーション、守る、魅惑のボイス、手助け」の組み合わせで2人が採用し、残る2人もデコレーションと手助けは採用

ここが考察グループの特徴が出ており、a・bは同じものを採用した。

また独自路線でかつ一番の好成績であったc・dも、デコレーションはもちろん、手助けも採用している。

手助けについては、「デコレーション3回<デコレーション2回×手助け」であること、マホイップが先に倒されそうなターンでも仲間の火力をあげられること、加速バシャーモやテツノイワオやS速いテラパゴスといったマホイップより速い仲間の火力をあげられること、など多くの利点があり、マホイップの特徴(足の遅さ、役割)とマッチしているため、全員が採用した。

 

③攻撃技は魅惑のボイス(3人が採用、1人は攻撃技不採用)

マホイップの攻撃技は主に魅惑のボイスかマジカルシャインだが、攻撃技採用の三人は全員魅惑のボイスを採用した。

両者にそれぞれメリットがあるが、デコレーションテラクラスターを振り回すからワイドガードカポエラーが辛い、尻尾切りテラパゴスの身代わりを貫通してテラスシェルを剥がせる、ただでさえ低い火力を分散させたくない、混乱運ゲーもワンチャンある、などの理由で、魅惑のボイスが選ばれた。デコレーションテラクラスターへの信頼が高いグループであることがうかがえる

ちなみに特徴的なb・cはそれぞれ特徴的な技を持っているが、この二者は構築思想がそもそも他と違うため、それに合わせたマホイップになっている。

 

④特性は半々

マホイップはアロマベール・スイートベールという二種類の特性を持っていて、そこはちょうど半々の採用となった。

デコレーションをしなければ始まらないから挑発が辛い、環境にアンコール・挑発のエルフーンが多い、あたりを気にしたらアロマベールを、

テラパゴスゲーミング環境の中でよりテラパゴス大エースの構築のため催眠技が辛いのを気にしたらスイートベールを、

それぞれ採用していると考えられる。

ちなみに構築単位で似通ったところが多いa・bがなんと特性が違うが、aは「仲間大会でスイートベールが活躍したのと、アロマベールの方が世間で多いということで相手がアンコ挑発しにくいし油断して無駄催眠に1ターン使ってくれそうだから」、bは「催眠対策はやる気この指とまれエレブーに一任しているから」が理由とのこと。aは考えることがセコイ。

 

⑤持ち物は全員隠密マント

こちらについては全員が同じ持ち物を採用した。

マホイップがデコレーションしないと始まらないため、猫だましで止まるのを嫌ったものと考えられる。

またエレキネットや凍える風でSが下がらないから仲間テラパゴスの上を取り続けられる、などの副次的効果も隠密マント採用を後押ししたと考えられる。

 

⑥テラスタイプは3人がフェアリー、1人が水

テラスタイプフェアリーが大多数。一番もっともらしい理由は攻撃技の強化だが、はっきり言って「どうせマホイップにテラスタルは切らんやろ」と思っていたと考えられる。

bだけが水テラスを採用しており、これはメタグロスやテツノカシラの鋼技、ウガツホムラのフレアドライブ、ウネルミナモの晴れスチームバーストあたりを意識したものと考えられる。

 

バシャーモ4、カポエラー3、テツノイワオエルフーンエレブー2

バシャーモを全員が採用した。環境の覇者テラパゴスや苦手なブリジュラスに強い、構築全体の遅さの弱点を加速で補える、などが採用理由で、グループサーバー内で「マホパゴスの結論」とまで言われていた。

3人がカポエラーを採用。当初はガオガエンを使っていたが、テラパゴス大エース構築として使う場合ガオガエンの悪タイプが気になったものと考えられる。

サポート役として優秀なエルフーンやエレブー、守るを貫通して素で速いテツノイワオも、半数が採用した。

 

世間のマホイップ

これらはすべてポケモンHOMEのスクリーンショットである。筆者のスマホが小さいこと、株式会社イルカのUIへの配慮がなってないことから、画像は一部見切れている。

 

①使用率ランキング

全体23位

前後には、サポート役として環境に刺さっていてバブー構築で有名なエレブー、色々な技が使えてドブベトンなど決まった並びもあるドーブル、強力な追い風役のファイアロー、蛇にらみが強いジャローダなどがランクインしている。全体順位の高さはもちろん、前後も強力で採用価値が高いポケモンが並んでおり、母集団として十分なデータが揃っていると考えられる。これで100位以下とかだったらこの記事は書いていなかった。

 

②一緒にいるポケモン

1位は当然テラパゴス。

採用率が高い強力なポケモンがずらりと並んでいて、ごく一部が変わった構築で使っていたわけではないことが分かる。

デコレーションされるテラパゴスは足が遅いのでそれを補うエルフーンダブルバトル最強ポケモンガオガエン、他はデコレーションエースとして優秀で汎用性も高いポケモンが並んだ。

一方で、グループで考察した人たちの全員が採用したバシャーモ、3人が採用したカポエラー、2人が採用したテツノイワオランクインしていないこれはそのグループと世間とで明確な差異が現れている

テツノイワオはその入手困難さから仕方ない面があろう。

カポエラーについては考察内容の差異が出ていると考えられる。ガオガエンダブルバトル最強の一角であることは疑いようがなくブルプロ環境でもその猛威を振るい、多くが採用するのは当然だ。それと役割の被るカポエラーが同じチームに入ることは少なく、ランクインすることはなかった。捨て台詞や一致叩き落とす、対格闘、ワイドガードを崩すフェイント、あたりへの考え方の差が見て取れる。

バシャーモについては、一般的な使い方がマホイップとかみ合いが悪いことから同時採用を避ける傾向があったと考えられる。一般的なバシャーモは素早いためマホイップでデコレーションが出来ず、相性が悪い。考察グループのメンバーはバシャーモの素早さを落として火力耐久に回し、見切りデコレーションのみならず、即座にデコレーション+攻撃の使い方も意図していたため、バシャーモ採用に積極的だったと考えられる。またルール発表から間もなくグループ内で「バシャーモが強い」という話が広まり、採用されやすい空気間であったのも一因だろう。

 

③採用されている技

 

デコレーションがやはり圧倒的一位に輝いた。ダブルバトルでマホイップを採用するならこれだろうし、ブルプロがテラパゴス環境であるため、相性の良いデコレーションは採用価値が高い。また守る・手助けも採用率が高く、テラパゴスと組み合わせることを意識した型が多かったと考えられる。

攻撃技はマジカルシャインが大半で、魅惑のボイスは14%にとどまった。グループで考察した人たちと大きな差があるテラスシェルを剥がしつつその横も削れる、単純に範囲技だから総ダメージ数が高い、などが採用理由だろう。ワイドガードや尻尾切りテラパゴスといった、仲間大会に積極的に参加しないと考察対象になりにくい戦術を考慮するかどうかの違いが現れている。

また自己再生・溶ける・瞑想といった技がランクインしているが、こちらの考察はこの後に譲る。

 

④特性

アロマベールが優勢である。デコレーションしなければ始まらない、エルフーンが環境に多い、といった点を意識しているのは同じの様だ。

ちなみにスイートベールを本番採用したa・cも、それぞれ「元々はアロマベールの予定だった。どちらが良いかは諸説」「アロマベールの予定だったけど間違えて潜った。結果的に良かった」としており、アロマベールのほうが基本的に強い、というのがグループ考察・世間共に共通認識だったようだ。

 

⑤性格

図太い・穏やかといった、耐久力を意識した性格が60%を占めた。「相手より速く動いてデコレーションする」と考えたのがグループ考察メンバーであったのに対し、大半は「攻撃をしっかり耐えてデコレーションする」ことに重きを置いたものと考えられる。

控え目は火力を重視したある種の地雷型、呑気はトリックルーム下でのデコレーションを意識した型、冷静はその両方を合わせたものと考えられる。

 

⑥持ち物

食べ残しが約22%でトップであり、3位約13%のオボンも含め、性格と同じく耐久力を意識した育て方が多かったと考えられる。

グループ4人中4人が採用した隠密マントは19%の2位で、同じく猫騙しを意識した参加者が全体的に多かったことがうかがえる。

「耐久力を高める・猫騙しを受けやすい」の二つを意識したゴツゴツメットが4位であり非常に面白い。リリバ・襷のような「一発耐える」ことに重きを置いた持ち物も見られ、デコレーション1回の価値が以下に重く見られているかがうかがえる。

ちなみに、「なるべく速くデコレーションする」を突き詰めたこだわりスカーフ持ちも一定数いた。テラパゴスの素早さレースが環境を進むごとに加熱し臆病最速すらメジャーになる中、素早いテラパゴスにデコレーションできるようにしたものと考えられる。

 

⑦テラスタイプ

フェアリータイプが半数弱で圧倒的一位であった。考察グループメンバーという身内以外にもこんなこと言うのははばかられるのだが、多分どうせテラパゴスにテラスタルをすると考えて変更しなかった参加者が一定数いると考えられる。

2・3・4・8位はフェアリーの弱点である毒・鋼をケアしたテラスタイプであった。5位のゴーストタイプは猫だましを意識し、6・7位のエスパー・ステラは瞑想アシストパワーのアタッカー型であると考えられる。

 

⑧サポーターに留まらないマホイップ

自己再生・瞑想・溶ける、図太いや穏やか、食べ残しやオボン、といった耐久力を意識した技・性格・持ち物が非常に多いことから、「デコレーションや手助けでサポートするだけではない役割」を持ったマホイップの存在が見えてくる。

耐久力を高めた性格・持ち物で溶ける・瞑想・自己再生を採用し、相手を詰ませる型が相当数いたと考えられる。自己再生が採用率3位42%なのがその証拠として分かりやすいだろう。

マホイップを完全にデコレーション・手助けのサポート型と最初から決め込んで考察したグループにずっといたため、この存在は個人的に非常に驚きであった。確かにデコレーションしたテラパゴスで暴れてその横でマホイップが積んで詰める、という動きも理に適っている。

こうした型のマホイップはランクマッチでも一定数いて、特にシングルバトルでは最もメジャーな型となっている。むしろグループを作ってまでマホイップを考察していてこれを知らなかった筆者がアホかもしれない。言い訳させていただくと、筆者たちが参加した仲間大会では自己再生の使用率が低く、また隠密マントや手助けの採用率が高いなど、サポーターと割り切った型がかなり多かった。考察グループと世間の違いというよりは、仲間大会に参加する層としない層の違いと言えよう。

 

おわりに

正直根拠の薄い推測だらけで、急いで作った大学生のレポートみたいになった感が否めないが、少しは参考になる所があったら嬉しい。

「グループで考察した人」「世間」や、「仲間大会に参加する層」「しない層」といった対立構造でその差異を検証していったが、どちらか一方をほめそやしたりどちらか一方をけなしたりする意図はないことは言っておきたい。あくまでも気になったから比較してみて、思ったより違いがあって面白かったから記事にしてみただけだ。

ランクマッチや大会で結果を残した人はしばしば「○○さんと考察した」「○○さんと構築を共有した」という話をしており、ポケモン個人競技ではあるもののその準備や考察は複数人で行うのもメジャーになってきている。それによって起こる違いの検証・考察もやってみれば多分悪くないものだろう。

ここまで読んでくださってありがとうございました。